RDS for Oracle を使ってみる
AWS にはフルマネージドなデータベースサービスがあります。EC2 にデータベースソフトウェアをセットアップして利用するのとは異なり、Workspaces のように簡単に作成・利用ができます。ただ、私を含めたデータベース管理者にとって「フルマネージドサービス」って言われても、、、とそれなりに未知の領域であることには違いありません。色々と RDS を試してみたいですが、今回はまず「RDS for Oracle」を作成してみることにします。
Amazon RDS での AWS 無料利用枠
検証目的であることからなるべくお金はかけたくありません。RDS の無料利用枠は要チェックです。
以下より「Oracle BYOL (bring-your-own-license)」「db.t3.micro」「Single-AZ インスタンス」「汎用 (SSD) 20 GB」で、かつ750時間までは無料ってことみたいですね。
・DB インスタンスを各月で連続して実行するのに十分な、MySQL、MariaDB、PostgreSQL、Oracle BYOL、または SQL Server (SQL Server Express Edition) などを使う Amazon RDS の Single-AZ db.t2.micro インスタンスのための、750 時間という使用時間
・Oracle BYOL db.t3.micro Single-AZ インスタンスの使用は、Amazon RDS の無料利用枠に含まれています。Oracle BYOL の上で、db.t2.micro Single-AZ と db.t3.micro Single-AZ のインスタンスを両方実行する場合、その使用量はインスタンスクラス全体で合計されます。
・20 GB の汎用 (SSD) DB ストレージ*
・自動データベースバックアップとユーザーによる任意の DB スナップショットに使用できる 20 GB のバックアップストレージ** バックアップストレージは、最大 20 GB と DB ストレージのサイズのうち小さい量を無料で利用できます。ご使用のアカウントで少なくとも 1 つの DB インスタンスを実行する必要があります。これらの制限を超えた場合、またはアカウントのすべての DB インスタンスを終了した場合、バックアップストレージは標準 RDS 料金に基づいて請求されます。
これらのサービスに加えて、Amazon RDS での DB インスタンスの構築と管理に役立つ AWS マネジメントコンソールを追加料金なしでご利用いただけます。
Amazon RDS 無料利用枠
データベースの作成
「サービス」→「RDS」→「データベース」より「データベースの作成」を選択します。

注意としては 2021/10/26 時点では「バージョン」で「Oracle 12.1.0.*」を選択しないと「テンプレート」に「無料利用枠」が表示されませんし、DB インスタンスクラスでは「db.t3.micro」が選択肢にも現れません。

また「AWS EC2 でドメインコントローラ構築【第1回】」で作成したVPC「MY-VPC」、「AD Connector で Amazon WorkSpaces ドメイン参加【第1回】」で設定したセキュリティグループ「MY-Sercurity-Group」をそれぞれ選択していますので、関連記事を参照しておいてください。
以下が設定内容です。
設定項目1 | 設定項目2 | 設定値 |
---|---|---|
データベースの作成方法を選択 | 標準作成 | |
エンジンのオプション | エンジンのタイプ | Oracle |
Database management type | Amazon RDS | |
アーキテクチャ設定 | 《OFF》 | |
エディション | Oracle Enterprise Edition | |
ライセンス | bring-your-own-license | |
バージョン | Oracle 12.1.0.2.v25 | |
テンプレート | 無料利用枠 | |
設定 | DB インスタンス識別子 | ORCL |
マスターユーザー名 | admin | |
マスターパスワード | ***** | |
DB インスタンスクラス | バースト可能クラス | db.t3.micro |
追加のメモリ設定を含める | 《OFF》 | |
以前の世代のクラスを含める | 《OFF》 | |
ストレージ | ストレージタイプ | 汎用 SSD (gp2) |
ストレージ割り当て | 20 GiB | |
ストレージの自動スケーリング | 《OFF》 | |
可用性と耐久性 | マルチAZ配置 | 「無償利用枠」では選択不可 |
接続 | Virtual Private Cloud (VPC) | MY-VPC |
サブネットグループ | 新しい DB サブネットグループの作成 | |
パブリックアクセス | なし | |
VPC セキュリティグループ | 既存の選択 | |
既存の VPC セキュリティグループ | MY-Security-Group | |
アベイラビリティゾーン | ||
データベース認証 | データベース認証オプション | パスワード認証 |
追加設定 | 最初のデータベース名 | ORCL |
文字セット | JA16SJISTILDA |
ステータスが「利用可能」になれば接続できるようになります。

データベースに接続
それでは作成した RDS に接続してみます。外部公開していないので同一 VPC 内に作成した WorkSpaces から接続します。接続するツールは SQL Developer を使います。セットアップについては「Oracle SQL Developer を導入する【Oracle Instant Client 編】」を参照してください。
まず、接続先となる作成したデータベースのエンドポイントとポートを確認します。

次に、SQL Developer で接続先を追加します。認証タイプ「デフォルト」で RDS 作成時に作成したユーザ「admin」とそのパスワードを入力します。ホスト名は上記で確認したエンドポイントのことです。要はネットワークさえ疎通していれば、普通にオンプレ Oracle に接続するのと何ら変わりません。

とりあえず、普通に接続できました。当然ながら EC2 やオンプレに導入した Oracle とは色々違うんでしょうが、とりあえず今回はここまでとします。

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